今さら聞けない!投資Q&A

2018年10月から、株式の売買単位が100株に統一されましたが、個人投資家のメリット・デメリットは何ですか

売買単位が100株に統一されたことによる個人投資家にとっての直接的メリットは以下の通りです。

  • 1,000株が100株になった場合などに、必要最低購入金額が下がることで、個人投資家が株式を購入しやすくなります。たとえば、株価3,000円の銘柄の場合、売買単位が1,000株の場合では300万円ですが、売買単位が100株では、30万円となります。
  • 必要最低購入金額が下がれば他の金融商品を購入する余力が生まれるので分散投資が可能となり、資産運用におけるリスク分散が容易になります。
  • 持株会制度や株式累積投資などの積立投資において、単元株に達成しやすくなります。
  • 株価を見るだけで、必要最低購入金額(「株価×100」)が分かりやすくなります。
  • 売買単位の勘違いなどに起因する誤発注リスクが低減します。

 

個人投資家にとって、デメリットはありませんが、売買単位変更と株式併合が同時に行われる場合、一時的ではありますが、株価チャート(株価の動きを表したグラフ)の比較が困難になることが考えられます。株価チャートが分割前の株価を含んだ表示にした場合、分割前の座標軸で分割後の株価を表示しているためです。一定期間経過すると、分割前の株価を含まなくなるため、分割後の座標軸で表示されます。

 

(参考)

2007年当時、株式取引における最低売買単位(単元株式数)は8種類(1株、10株、50株、100株、200株、500株、1,000株、2,000株)も存在し、株式取引に様々な不便さがありました。

 

そのため全国の証券取引所は、2007年11月、利便性向上、リスク低減、効率化を掲げて、上場会社における株式の最低売買単位(単元株式数)を100株へ統一することを最終的な目標とした行動計画を公表し、また、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準を明示しました。その後10年を超える大きな取り組みが実を結び、2018年10月から株式の売買単位が100株に統一されました。

回答者はこの人

日本証券業協会 普及推進部 担当者

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