社会科公民的分野「私たちの消費生活と経済」の授業の一環として、全3時間授業の1時間目「収入と支出を考える」授業が実施されました。
「収入」は働くなどして得るお金、「支出」は物やサービスを購入するのに払うお金であるということを確認した後、お金の使い方を考えるワークから授業が始まりました。
考えよう1
①3,000円お小遣いがあったら何を買いますか。
②10,000円お小遣いがあったら何を買いますか。
③欲しいものが10,000円で足りなかったらどうしますか。
「3,000円あったらマンガを買う」、「10,000円あれば、ランニングシューズを買う」など、欲しいものを考えてワークシートに記入していきました。10,000円で足りない場合には、「お金を貯めてから、欲しいものを買う」という生徒からの発表を受けて先生は、「これからの人生では、このようにお金を貯める、お金を使うことについて考えて選択をしていくことになります。今日は、実際にどのようなことが起こるのかゲームで体験してみましょう」と伝え、「生活設計・マネープランゲーム」をスタートしました。
ゲームは、20歳で就職をしたところから人生体験が始まりました。収入カード、基本生活支出カードを裏返して1枚ずつ引き、カードに記載されている金額をマネープランシートに記入していきました。思い出ポイントも忘れず記入するように先生から指示が出されました。また、黒板に拡大したマネープランシートを貼りだし、記入する場所を先生が指示することで、どの班もスムーズに記入をしていくことができました。
収入カードに記載されていた年収の金額を班長に発表してもらう中で、「1年間で100万円も差があるのは大きい」という発言もあり、決まった収入の中で生活する大変さに気付き始めたようでした。
30歳代の人生では、結婚や子育てなど人生の大きなイベントがあることが伝えられ、結婚カードを裏返して1枚引きました。結婚するカードを引いた班は続けて子育てカードを裏返して1枚引き、家族構成が決まりました。
30歳代の収入から基本生活支出・結婚費用・子育て費用を差し引き、ここまでの貯蓄額を計算しました。収支のバランスが取れていない班では、欲しいものを購入したりお金を貯めたりする以前に生活が成り立たないということを、実感を持って理解しているようでした。
住居の購入は、ここまでの貯蓄額を踏まえて班で考えました。班で活発に意見を交わしながら、どの住居をどのような方法で購入するのかを決めていきました。「今だけではなく、将来の生活も見据えてお金の使い方を考える」ことの大切さが理解できたようでした。
その後、自動車の購入、保険への加入検討、イベント&アクシデントを体験していきました。「自動車事故に遭ったが保険で補てん」、「子どもの英才教育のために支出」など、ライフイベントとそれらにかかる費用について概要をつかむことができました。
生徒たちは、人生設計やお金の使い方について議論をしたり、他の班の状況と自分の班の状況を比較したりしながら、積極的にゲームに参加していました。
最後にゲームの振り返りを行いました。
収入に見合った支出ができていたか、結婚や子育てなど人生設計は自分たちの望むようなものになったか、結果を踏まえてどのような点を改善していけばよいかということをワークシートに記入し、班長に発表してもらいました。
20~30歳代の人生の疑似体験を通して生徒たちは、お金との関わり方について興味を持つことができた授業となりました。