1.コンテンツの目標・狙い
知識及び技能
・企業が行う様々な資金調達の方法について理解すること。
・預貯金、株式、債券の金融商品について、資産形成の観点からそれぞれの特徴を理解すること。
・債券の価値は利回りによって判断できることや、金利と密接に関係していることを理解すること。
思考力・判断力・表現力
・債券市場の特徴について、株式市場との違いから、考察し、表現すること。
・国債発行残高の増加や国債による資金の使途に対して、多面的、多角的に考察し、表現すること。
2.指導の前提
・教科書の、日本の財政や公債に関わる授業と並行して、あるいはその後に利用するのが有効です。
・教科書の、社会資本に関わる授業を先に行っておくと、建設国債の理解がスムーズになると考えられます。
・コンテンツ「金融経済の基礎知識/金融のしくみと役割」で金融の必要性を学んでおくと理解がスムーズになります。
・コンテンツ「株式会社と債券」は、事前に「株式の講座/株式会社と株式」を先に学ぶことをおすすめします。
・コンテンツ「債券と利回り」は金融商品としての特性を学ぶ内容なので、「株式の講座/株価はなぜ動く」「ライフプランと資産形成の講座/資産形成とは、資産運用をする」等を先に学ぶことをおすすめします。
3.指導・評価計画
(1)債券とは
学習活動 | ・借入れや株式発行の特徴を振り返り、その他に債券発行という資金調達方法があることを知る。 |
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指導の留意点:狙いと評価 | 【狙い】 ・借り入れや株式以外の資金調達手段として、債券があること、債券の基本的な仕組みを理解させる。 ・債券は国や企業などが発行し、いろいろな種類があることを理解させる。 ・債券にも株式同様に発行市場と流通市場があることを理解させる。 【評価】 ・資金調達手段として、債券を挙げることができる。 ・債券の基本的な仕組みを説明することができる。 ・「国債」「地方債」「社債」「外国債」を挙げることができる。 ・債券市場の特徴を説明することができる。 |
(2)国債とは
学習活動 | ニュースなどでもよく取り上げられる国債残高について、どのような内容であったか問いかけ、現在どのような状況であるかをデータを見ながら調べさせる。 |
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指導の留意点:狙いと評価 | 【狙い】 ・国債には、建設国債と特例国債(赤字国債)があり、それぞれの使途を理解させる。 ・国債残高の増加理由について考えさせる。 【評価】 ・「建設国債」「特例国債(赤字国債)」が挙げられる。 ・国債残高や増加の背景をいくつか挙げることができる。 |
(3)株式会社と債券
学習活動 | ・株式発行と債券発行について、それぞれの違いを調べさせる。※本サイトのコンテンツ「株式の講座/株式会社と株式」参照 |
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指導の留意点:狙いと評価 | 【狙い】 ・社債を株式発行と並ぶ資金調達手段として理解させる。 【評価】 ・株式との違い(返済義務、利子など)を説明できる。 ・経営権に関わる点も説明できる。 |
(4)債券と利回り
学習活動 | ・利率1%、10年満期、額面100万円の国債を満期まで持っていたら、受け取るお金は合計でいくらか?などと問いかけ、単純な利率について理解させる。その上で、債券は満期を待たずに売却することができることから、同じ利率の国債であっても、価格や利回りが変わることを計算させる。 |
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指導の留意点:狙いと評価 | 【狙い】 ・利率と利回りの違いを理解させる。 ・債券も株式のように価格が変動し、売買できることを理解させる。 ・債券の価格は金利の動きと密接な関係にあることを理解させる。 【評価】 ・利率と利回りの違いを説明できる。 ・金利の動きに合わせ債券の価格がどう変化するか説明できる。 |
4.学習の発展
本サイト内のコンテンツで、より詳しい知識を学習ができます。
関連コンテンツ
マンガで学ぶ!金融経済 | 「株式の講座/株式会社と株式」 「資産形成とライフプランの講座/資産形成とは、資産運用をする」 |
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金融経済に関わる組織 | 「株式会社」 「証券取引所」 「証券会社」 「日本銀行」 「財務省」 |
動画で学ぶ!金融経済 | 「授業で使える動画教材」:債券のしくみ |
授業用副教材 | 「体験して学ぼう!金融・経済・起業 金融クエスト」 「株式会社をつくろう!~ミスターXからの挑戦状~」 「株式会社制度と証券市場のしくみ」 |
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